賃貸物件の築年数による耐震や耐用年数への影響と部屋探しの判断基準

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賃貸物件の築年数による耐震や耐用年数への影響と部屋探しの判断基準

同じ家賃なら築浅のほうが良いし、築年数が古くても部屋の中の設備が新しくきれいなら、満足度も快適さも高くなります。
しかし賃貸物件の築年数によって異なる耐震性や耐用年数は、素人には難しく見ただけでは分かりません。
今回は、築年数による物件のメリットとデメリットや部屋を選ぶ際の判断基準のポイントを、耐用年数などとともに解説しています。
お部屋選びの基準はひとつではありませんので、賃貸物件を決める際に何を優先したいのか想像しながら、ぜひ最後までお読みください。

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賃貸物件の築年数|築古の物件に多い特徴とメリット・デメリット

賃貸物件の築年数|築古の物件に多い特徴とメリット・デメリット

建築物を語る際に頻繁に用いられる築古という言葉には、実は明確な定義はありません。
何となく賃貸物件のなかでも古い部類だと感じるような築年数を意味していて、その人の感じ方にもよります。

賃貸物件の築年数が築古とされる物件によくあるメリット

ここでは、耐震基準のひとつの基準年として後述する2000年よりも古い、約20年以上前に建てられた賃貸物件を想定して解説しています。
築古物件によくあるメリットとはどんなものがあるのでしょうか。

家賃が安い賃貸物件が多い
築古物件は築浅物件と競合したときにでも、好条件だと感じてもらって選ばれるために家賃を下げます。
予算ありきで賃貸物件を探している方にとっては、一般的に家賃が安いことが多い築古物件を中心に検討することになるでしょう。
ただし、賃貸物件の実際の管理コストは、同じ戸数規模で同じ設備なら築古物件になるほど高くなりがちですので、場合によっては管理費に関しては築浅物件よりも高いかも知れません。

リノベーション済みなら住宅設備は新築同様
築古物件は昔の時代の設備ですから、築浅物件に比べて設備全般が見劣りします。
その頃には一般的ではなかった温水洗浄便座やディンプルキーや床暖房も、築浅物件では標準設備であることが多いのです。
家賃が安いだけで設備や間取りが古いままでは借り手は満足しませんので、築古物件もときには人気設備を多用した大掛かりな改修を施します。
部屋の中を新築同様にまで刷新することをリノベーションといい、築古物件でも人気になる要素です。

初期費用のコストパフォーマンスが高い
敷金が家賃の1か月分という設定なら家賃が安いほうが敷金も安くなります。
また、築古物件は意図的に敷金を下げることで初期費用が高額にならないようにして、引っ越しやすい賃貸条件にすることがよくあります。

地盤に大きな変化が無かったという実績になる
築20年ということは、建築後の20年間は建物を倒壊させるほどに大きな地盤の変動がなかった、もしくは耐えられる建物強度があったといえます。
その後もずっと地盤が安定しているという保証にはなりませんが、同じ日本でも地震が少ない地域はありますので、参考のひとつにはなりそうです。

築古がOKなら部屋探しの選択肢が多い
日本で鉄筋コンクリート造のマンションが建築されてから65年以上経ちますので、築20年以上のマンションの方が市場に多く、これからもさらに築古物件は増えていきます。
物件が多いということは選択肢が多いということであり、家賃が安くて選択肢が多い物件から探せるのは、築古物件で部屋探しをする際の大きなメリットです。

定期的な手入れができてたら良い物件
賃貸物件の設備は年々古くなりますが、定期的に適切なメンテナンスや入れ替えがおこなわれていれば、機能的には問題ありません。
とくに、ライフラインや人命に関わるような給排水設備や消防設備やエレベーターなどは法定点検が義務づけられていますので、築古物件でも安全に保たれています。

賃貸物件の築年数が築古とされる物件によくあるデメリット

築古物件は建築当時の基準で作られた設備ですから、今と比べて性能が低いことが多いです。

設備全般は古くて性能が低い場合が多い
よくいわれることとして、耐震基準が低い、排水管の逆流や臭気が上がってくる、エレべーターが古い、水道の水圧が低い、気密性が低く結露が多い、部屋も共用部運も段差が多いなどです。

外観のデザインが古く風雨による劣化で見た目が悪い
外観が築浅物件よりも見劣りするのは仕方ありません。
築浅物件はおしゃれで美しく劣化のない外観ですが、築古物件はデザインが古い上に日光や温度差や風雨にさらされて劣化がすすんでいます。
外壁塗装や屋上防水工事は10年ごとなど長期スパンで実施しますが、それでも形までは変えられませんので、建物の形やデザインの古さが目立ってしまうのは否めません。

建物内に虫が侵入している可能性が高い
長い間に建物内には虫が侵入していることがあり、長い間に躯体に隙間ができて侵入しやすくもなります。
ですから、築浅物件と比べて虫に遭遇する確率が高くなりますが、自然相手のことですしこれは仕方がないでしょう。

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賃貸物件の築年数|築浅の物件に多い特徴とメリット・デメリット

賃貸物件の築年数|築浅の物件に多い特徴とメリット・デメリット

築浅物件は、賃貸ニーズを満たす便利で高品質で新しい設備が多いので、生活が快適なのは間違いありませんが、実はデメリットも少なからずあるのです。

築浅の賃貸物件とは築年数が何年くらいを指すのでしょうか?

築浅物件と呼ぶにふさわしい年数には明確な定義がありません。
おおむね建築後3~5年以内を指すこともあり、多くの築古物件で占められたエリアの中なら、築後10年でも築浅と呼ぶこともあります。
ここでは一般的な築浅の年数として、築後5年前後を想定して解説しています。

賃貸物件の築年数が築浅とされる物件によくあるメリット

築浅物件のメリットは分かりやすい価値観です。

設備トレンドや現代の入居者ニーズを満たしている
築浅物件はとくにセキュリティ面の進歩が著しいのが特徴です。
ディンプルやカード型で不正解錠が難しいタイプのカギ、警備会社と連動した複数台の防犯カメラやモニタインターホンなど、女性の一人暮らしに心強い設備が増えました。
また以前は分譲マンションにしかなかったような、ウォークインクローゼットや床暖房や浴室暖房乾燥機なども築浅物件なら珍しくありません。
昨今では当たり前のネット環境が標準装備なら、入居したその日から使えて便利です。
また、防音ペアガラスや宅配BOXや温水洗浄便座は当たり前の設備となりました。
以外にも、外観、エントランス、共用部の意匠デザインは毎日のように目にするため、暮らしの満足度に大きく関わる重要なポイントです。

賃貸物件の築年数が築浅とされる物件によくあるデメリット

築浅物件は良いことばかりなのですが、デメリットといえるものもあります。

築浅物件は希少で人気なため競争率が高い
市場の物件のほとんどが築古物件となれば、自ずと希少な築浅物件は目立って人気が出ます。
とくに人気の駅や沿線にある徒歩圏内の築浅物件などは、少々家賃が高くても希望者が途切れることはありません。
人気物件の募集状況をいち早く得るためにはコツと少しの努力が必要です。
まずはネットをこまめにチェックすることです。
ほとんどの募集物件はネットに掲載しますので、希望のエリアを日々チェックしていれば、新たな募集情報をいち早く掴むことが出来ます。
またエリアで力を持った不動産会社で信頼できる担当を見つけて、新規案件の連絡がもらえるよう根回しもしておきましょう。

築浅物件は家賃が高い
新築のときがもっとも家賃が高く、古くなるにつれて下がっていきます。
築浅でもいつもより家賃が下がるのは、春のシーズンを逃した競合物件が多い時期に空室が出た時です。
たとえ築浅でも競争原理で家賃が下がる事がありますので、時期外れの人気物件にも注目です。

建築資材へのアレルギー反応
築浅物件ですと、24時間換気システムがあっても塗料や接着剤の化学物質がまだ充分に抜けてないこともありますので、ひどいアレルギー体質なら築浅物件を避けることも考慮しましょう。

賃貸物件の築年数|建物の構造別の耐用年数とその意味について

賃貸物件の築年数|建物の構造別の耐用年数とその意味について

築古物件は耐用年数がどれくらい残ってて、いつまでなら安全で快適に住めるのか、基準があれば知りたいと思う方は多いです。

同じ築年数でも構造によって劣化の見え方が違う

同じ築年数でも、鉄骨造や鉄筋コンクリート造と比べて木造のほうが古くて劣化しているように見えます。
また鉄骨や鉄筋コンクリートは、古い見た目の外壁でも補修によって美しく生まれ変わらせることが比較的簡単にできます。

築古物件でも安心できる耐震基準の時期はいつでしょう

耐震基準は地震などの大きな災害があるごとに強化されていき、それ以降にその耐震基準を満たさない建築計画は認められず、建築することができません。
ですから、その物件が建築確認をもらった時期を調べればどの耐震基準で建てられているのかが分かります。

1981年6月1日以降に建築確認を受けた耐震基準
これは、震度6~7でも倒壊しない強度とされ、新耐震基準と呼ばれます。
建築確認は申請後すぐに許可が出ませんので、1981年6月1日以降に建ったものでも旧耐震基準のものがあります。
建築確認を受けた年月日であり建築された年月日ではないことにご注意ください。
なお木造に関しては、1995年の阪神淡路大震災で倒壊した木造建築物の強度を参考に、2000年に基準を刷新しました。
木造の基準ではありますが、強い基礎の工法や筋交い金具などは建築物全般に通ずる技術なので、他の構造の物件にも流用されています。
もっとも高い耐震基準を求めるなら、2000年6月1日以降に建築確認を受けた物件から選ぶと良いでしょう。

国税庁が示す構造別の耐用年数

●木造 22年
●鉄骨造 骨格材の厚み3mm以下 19年
●鉄骨造 骨格材の厚み3mmを超え4mm以下 27年
●鉄骨造 骨格材の厚み4mm以上 34年
●鉄筋コンクリート造 47年


これらは国税庁が税法上の目安として用意しているもので、実際の建物の強度や劣化とは直接の関係はありません。
あくまで建築コストを経費として償却処理をする、事務手続き上の金額を算出するために設けられた税法上の数値ですから、実際の寿命であると誤認しないようにしてください。
鉄筋コンクリート造の建物は、適切な管理がなされた場合には理論上80~100年の寿命があるとされています。
すでに建て替えられましたが、日本最古クラスの同潤会アパートは築後65年前後も住まいとして利用されていました。
まだ使用に耐えられましたが、あらたな価値を求められて建替えを余儀なくされています。
つまり、実際の耐用年数よりも時代とともに変化したニーズなどの社会的な要求によって寿命は決まるともいえるのです。

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まとめ

築浅物件も築古物件も、それを選ぶ方の事情によってメリットもデメリットもあります。
住宅設備は入れ替えれば築浅並みに便利で快適になりますが、耐震強度や建物の形状など後から大きく変えられないものもありますので、賃貸物件を探すうえで自分が優先する条件が何なのかを検討しましょう。
今後ますます人口が減り物件があまって供給過多になります。
そうなれば、物件の質の割に家賃が安い優良物件が増えてくると思われますので、住まい探しをする方にとっては良い時代になりそうです。

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