尼崎市の災害事情について

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尼崎市の災害対策をご存じですか?



昔と違って、最近では色々な災害に対して国はもちろん、各地方公共団体も様々な基準を設けて、警報の種類や段階、避難場所の選定、避難時のガイド、様々な防護手段等、防災も含めた災害対策を実施しています。尼崎市では特に注意すべき災害もありますのでそちらを見ていきましょう。


尼崎市役所のHPを見てみると災害について、実に多くのページがあります。例えば、防災については「避難場所」の案内はもちろん、「防災計画」や「防災体制」、「防災訓練」、「災害が起きた際は」などなど。多くのページを割いて紹介しているのが分かります。特に地震については市だけでなく兵庫県や国とも連携しなければならないこともあって実に多くの情報が開示されています。

 様々なメディアを通じて報道されていますが、例えば南海トラフ地震については確実に起こると明言されています。その予測期間が今後30年間の間というかなり長い期間なので拍子抜けした人もいるかも知れませんが、この30年の間に「阪神・淡路大震災」や「東日本大震災」に匹敵、もしくはこれを超えるような規模の大震災が起こる可能性があると公的機関が明言しているのはかなり恐ろしい状態かと思います。

 もちろん地域によってはほとんど何の被害も受けない所もあるでしょうが、尼崎市については地震による水害を受ける可能性は非常に高いとされています。理由は尼崎市の地形的なものにあるのですが、海抜0m地帯やマイナス地帯も南部に多く、北部の方は若干勾配がありますが、丘陵も無いような地勢から大きな水害が発生したら市の大部分で大きな被害が発生する可能性が高いとされています。

 「東日本大震災」の際に何度も繰り返し報道された津波の映像が頭をよぎります。特に、住宅が流されていく映像は衝撃的でした。一戸建て住宅、もしくはつい最近新築戸建を建築、もしくは購入したと思われる住居が成すすべもなく水に流されていく、そしてそれを茫然と眺めている人たちの映像は忘れたくてもわすれられないものです。ですから、災害を免れた地域の人たちも他人事だと捉えずに様々な形での支援が数多く集められました。

 尼崎市については先ほど触れたように、大きな津波が発生した際には残念ですが、まったくの無傷ということはあり得ないと思います。それだからこそ防災対策を普段から意識することは非常に大切な心構えだと思いますし、実際に行動することはもっと大事なことです。



いざという時のために【ハザードマップ】を確認しよう


 尼崎市の水害について一番分かりやすいのが「ハザードマップ」です。尼崎市役所のページに掲載されている「ハザードマップ」ページは外部リンクで別ページに飛びます。「ハザードマップ」とは被害予測地図と言われるもので、実際に災害が発生した際にこの地域ではどれくらいの規模の損害が発生するかを予測し記録した特殊な地図のことです。実際の地図の上に例えば水害の被害程度に応じて様々な色付けをしているので、自分の家の付近はこれぐらいの被害が発生する可能性がある、ということが分かります。又、津波や洪水の際に何mの高さの水が押し寄せてくるかも分かります。具体的に「ハザードマップ」は洪水・津波・高潮・内水氾濫・地震といった5つの災害に対して作成されています。

 リアルに自分の家付近の災害被害状況が分かるので非常に便利です。良く耳にするのが、災害規模を甘く見ていて避難し遅れたといった報道です。これくらいなら大丈夫、今まで大丈夫だったから安心、などと根拠が無いのですが、一人で納得して避難しないということが多々あったと聞きます。特に一人暮らしの場合、誰かから促されないとなかなか避難所へ進んでいくという事自体が億劫になったりしますが、このハザードマップを見て自分の住んでいるところが例えば、2mの高さまで水が押し寄せると知って、まさか逃げない人はいないと思います。最近の新築戸建はみなベタ基礎を採用していて地面の高さからある一定の高さを保っていますが、例えば2mの高さの水が押し寄せてきたらひとたまりもありません。自分の背丈よりも高い水に耐えられる人などどこにもいません。海のそば、川のそば、池や沼のそば、水辺はいくらでも私たちのそばにあります。

 普段何もないからと言って安心してはいけません。何かことが起きればすぐに連鎖反応的に災害は拡大します。ひと昔前はこのメカニズムが良く分かっておらず予測も立てられませんでした。そのため同じような災害が起きたときに同じように被害が出て、最悪の場合人命が犠牲になったりしました。特に近年はゲリラ豪雨やスーパー台風など、災害の規模もどんどん巨大化しています。これまでの人生でつちかった経験や知識がまったく役に立たない場合も多いです。過去の尊い人命を犠牲にした悲劇を繰り返さないためにも尼崎市の防災対策には期待したいと思っています。



避難情報などが電話で確認できる【災害情報電話サービス】


 尼崎市のホームページの「くらし・手続き」の中に「防災」のページがあります。

一口で「防災」と言っても多岐に及び、様々な内容が書かれています。先ほど触れました「ハザードマップ」もその一つです。他に注目すべき内容で、皆さんにぜひ知っておいてもらいたいものの一つに「災害情報電話サービス」があります。これは所定の番号に電話すると、現在尼崎市内で起こっている災害についての情報を聞くことができるという便利なサービスです。例えば全国レベルの台風情報や地震情報は普通にテレビを見ていても知ることができます。ただ尼崎市限定の例えば(大雨が続くが近所の武庫川の堤防は大丈夫だろうか)といった情報をテレビやラジオで入手することは困難です。


災害情報を補う手段①:防災行政無線のスピーカー


 それを補うために、防災行政無線のスピーカーが尼崎市内の河川や沿岸部を中心に合計40ヶ所以上設置されています。防災に関する気象情報や警報、避難準備、避難勧告、避難指示などの放送が流れます。家の近所にあれば心強いのですが、河川のそばや沿岸部中心に設置されているので、場所によれば放送の音声がほとんどもしくはまったく聞こえない場合があります。そうした際にはせっかく便利なしくみがあってもまったく役に立ちません。不動産の場合、簡単に場所を変更することは不可能です。自分の家もそうです。新築戸建を購入して防災上不安だからといって引越しを行うのは現実問題、ローンの支払いなどもあって難しいでしょうし、災害は水災に限らず様々な形で忍び寄ってきます。それに対応するにはいち早く災害情報を入手して避難のなどの対策をたてることが最も大切です。色んな財産が幾らあっても命に代わるものなどどこにもないのですから。


災害情報を補う手段②:インターネット


 上記①以外で、インターネットでの情報は貴重です。SNSを活用すれば、リアルタイムで現在の災害情報をいち早く知る事も拡散することもできます。本当にこのすばらしい技術は20世紀から21世紀にかけて最大の発明ではないかと思うんですが、このツールにも大きな弱点があって、アクセスが集中すると一気にサーバーに負担がかって繋がりにくくなったり、最悪の場合はサーバーがダウンしてしまってまったくアクセスできなくなることがあります。 情報自体は局地的ですが、その情報を伝えるツールが全国的なので尼崎市以外でも同時に災害が発生した場合、もろに影響を受けてしまいます。


 その点、今回紹介しました「災害情報電話サービス」は局地的な情報の提供のみなので、他のエリアで災害が発生しても影響を受けることはないですし、いつでも安全に最新の防災情報を入手することができます。このサービスは電話さえあればいつでも利用できるので、ぜひお出かけ先からも利用できるこのサービスを活用して下さい。

 ちなみに電話番号は「0180-99-6007」になります。この番号にかけると、現在進行形の災害情報や避難情報等のアナウンスが流れます。当たり前ですが、不要の際には電話しないようにして下さい。※電話利用料は利用者負担になります。



ネット環境があるなら【尼崎防災ネット】を活用しよう


 上記のインターネットでの防災・災害情報ですが、「尼崎防災ネット」というサービスがあります。このサービスの優れたところはどこに居てもネットを利用できる環境及び機器があればどこででも情報を入手できるという点ですが、便利な機能として自分のメールを登録しておけば、緊急メールやお知らせメールとして情報を入手できるということです。タイミングとしては尼崎市の防災ページが更新された際にメールが送信されるので、いちいちページをチェックしなくても最新の情報を入手できる本当に便利な機能です。いくら防災に対する意識を持っていても仕事や家事などに追われてれば、いちいちチェックできないのも無理ありません。そんな時でもこのサービスを活用すれば、最新の情報が放っておいても自分のところに飛んできます。どんなに忙しくても着信したメールの内容をチェックするぐらいの時間はあると思います

ので、このサービスも他のサービスと併用してぜひ防災活動や避難活動に活用してもらえればいいかと思います。

 ちなみに、上記サービスは amagasaki@bosai.net に空メールを送信して登録できます。

 また、最近ではスマートフォンから利用可能な尼崎防災ネットのアプリも出ているようなので、アプリで情報をチェックしたい方はそちらを登録してみてもいいかもしれません。ぜひ活用してみて下さい。



日ごろから災害に備えるための【尼崎防災ブック】


 色々な防災・災害情報の入手方法について紹介してきましたが、一家庭に一つは置いておきたいのが「尼崎防災ブック」です。この本はwebでも内容を確認できますが、大きく分けて「避難について」と「日頃からの備え」の2つについて書かれています。


 「避難について」では、①避難をする際の流れについて、②避難情報や洪水や津波の警報や注意報について、③避難方法や避難場所について、④災害時情報の入手方法や避難時の注意事項について、それぞれ詳しく記載されています。


 「日頃からの備え」では、①日頃からの備えについて、②避難行動要支援者への支援について、③災害時の連絡先や具体的な避難先の名称や場所が一覧と共に地図上にも記載されています。


 どれも重要で必ず一読することをお勧めしますが、特に「日頃からの備え」の中の普段から緊急時のために用意しておくものリストは便利ですので、一度チェックしてみてまだ用意できていないもののチェックや、逆に不要なものがないかを見直しておくことは本当に大切だと思います。いざ災害が起きたときはどんな人でもあわてていて何を持ち出すのか、どれが優先なのかを瞬時に判断するのは不可能と言ってもいいです。本当に必要なものを普段からひとまとめにしておいて、災害時にはそれをすぐに持ち出せるようにしておけば慌てずに済みます。

 又、自分の家の近所の避難場所を複数チェックしておくのも大切です。当然ですが、避難場所は一ヶ所だけではありません。自宅の周りに数ヶ所あると思います。どこに避難すればいいのか、どこに逃げればいいのか、普段から持ち出す荷物共にシミュレーションをしておけば大丈夫です。特に小さなお子さんがいらっしゃるご家庭では自分のことだけでなく、お子さんのことも見ないといけません。

 普段からの備えと準備が、大げさではなく生死の別れ道になる場合もあると思います。この「尼崎防災ブック」はどなたでも手に入ります。しつこいようですが、一読されていて損はないと思いますよ。



災害時に備え近くの【避難場所】を知っておこう


 上記の「尼崎防災ブック」でも触れましたが、いざ災害が発生した際に避難する場所として「避難場所」が定められていて、その「避難場所」も幾つかに分かれています。


①指定避難場所


 尼崎市からの避難勧告や避難指示(緊急)の際に避難する場所として「指定避難場所」があります。公立の小・中・高等学校や各地域の「生涯学習プラザ」、「地域総合センター」や「園田競馬場」等、合計84ヶ所が指定されています。


②大火災避難場所


 大火災時の避難場所は別途定められています。これは過去の関東大震災の際もそうだったのですが、大地震と共に大規模な火災が発生し、実際にこの震災で犠牲になった方は地震による建物の倒壊等によるものよりも、その後に発生した大火災によるものの方がはるかに多かったと言われています。よって、地震に対する備えとしては大勢の人数を収容できる大きな広場が避難場所として必要となってきます。そのために尼崎市では「大火災避難場所」として公園や広場等35ヶ所を定めています。

そもそも「大火災避難場所」とは大規模火災が発生した際に単に避難するのではなく、建物の延焼や物が燃えているときの輻射熱から人体を守るために定められた場所で、避難場所としての必要な安全性をクリアした場所のみが指定されています。収容可能人数は2平方メートル当たり1人の計算で算出しています。


津波等一時避難場所


 兵庫県瀬戸内海沿岸に津波警報や大津波警報が発表されたり、洪水が発生もしくは発生する可能性が高い際に、避難する場所として、「津波等一時避難場所」がさだめられています。当然ですが、津波に耐えうる建物でなければ意味が無いので、避難場所として基準は、鉄筋コンクリート造等の建物であること、3階以上に避難できるスペースがあること、24時間体制で避難できること、耐震化工事が完了した建物もしくは昭和56年以降の新耐震基準を満たしている建物、の全ての基準をクリアしていないとこの避難所としては認められません。これについては、小中高の各学校はもちろん民間企業の会社社屋や民間マンションにも協力してもらって、合計368ヶ所が指定されています。


福祉避難所


 高齢者や障害者など、災害発生時に避難などに対して誰かの支援が必要な人(災害時要援護者)に配慮して作られた避難場所として、「福祉避難所」が定められています。バリアフリーやエアコンなど、の完備が条件となっています。現在合計44ヶ所が指定されています。但し、この「福祉避難所」はあくまでも2次的な避難場所であり、基本的に「指定避難場所」へ避難した後、その必要に応じて開放されます。



過去の震災の記録が確認できる【尼崎市立歴史博物館】


 ここ数十年の間に日本で起こった大きな災害は数多くありますが、被害者、被災者を数多く出し、非常に大きな衝撃を皆に与えた災害というと平成7年の「阪神淡路大震災」と平成23年の「東日本大震災」の2つではないかと思います。平成7年の大震災は関西で住む人たちに大きな衝撃を与えました。関西では大きな地震が何年も発生しておらず、知らず知らずのうちに地震は起きない、大丈夫、といった何の根拠も無い自身というか意識が生れて、防災に対する意識は一般家庭ではほとんどなかったと思います。当然、停電時の備えとして懐中電灯や火災の際の消化器など、ある程度の備えはあったかと思いますが、災害に備えて持ち出すものを準備している人や地域の避難場所について認識しているひとは本当に少なかったと思います。

 そんな意識を一変させたのがあの地震でした。自分の家や近所のマンションや、高速道路や、駅やビルが崩壊し、道路が分断され、水道、電気、ガス等のライフラインはおろか、車や電車等の交通網もマヒ、電話もつながらないといった状態で、実際にその当時を記憶している人は多いかと思いますが、まるで戦場のようだったと言われる人は多いです。神戸市を始め、数多くの阪神間の都市が大きな被害を受けましたが尼崎市も当然のことながら大きな被害を受けました。新幹線の高架橋が数カ所倒壊し、マンションの車庫部分がつぶれ、学校の体育館・校舎にも損害を与え、埋め立て地が多い沿岸部では液状化現象により地盤が軟化し神社を始めとする建築物が崩壊しました。もちろんこうした物損だけでなく人的な被害もあります。いまだに生々しい記憶に苦しんでいる人もいると思います。

 こうした震災の記録も「尼崎市立歴史博物館」に行けば確認することは可能です。令和2年10月に開館したばかりの新しい博物館ですが、元々は学校の校舎として利用されていました。「成良中学校」や「城内中学校」、「尼崎高等学校」の校舎として利用されていて、戦前では「尼崎市立高等女学校」の校舎として利用されていた歴史と伝統のある建物を利用した博物館です。尼崎市の歴史を学べると同時に震災に関する資料も確認できるので、一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

 これから必ず起こると言われている震災などの大災害を前に防災意識を高める上でも一度勉強してみた方がいいかと思います。


尼崎市立歴史博物館

住所  : 〒660-0825 尼崎市南城内10番地の2 阪神尼崎駅から南東へ徒歩10分

開館時間: 9:00~17:00(入館は16:30まで)

休館日 : 毎週月曜日(月曜祝日の場合は直後の平日)、12/29~1/3

利用料 : 無料



防災についての知識と技術を学べる【尼崎市防災センター】


 後、忘れてはいけないのが、「尼崎市防災センター」です。これも阪神尼崎駅のそばにありますが、ここでは防災に関する知識もそうですが、様々な体験を通して技術も取得できる便利な場所です。例えば、火災発見から119番へ通報する「通報体験」や消化器を使ったコンロ火災の「消化体験」や実際に過去に起きた地震、「関東大震災」・「日本海中部地震」・「十勝沖地震」・「宮城沖地震」の実際の揺れを体験できる「地震体験」や冠水した場合、どれだけドアを開けるのが重くなるかを実体験する「水圧体験」、火災が発生した際に煙に巻かれない様にする「煙避難体験」、天ぷら油火災における発火時間や家庭内の危険物の爆発が体験できる「火災実験室」などがあります。

 どれも地震やそれに伴う火災発生に対する備えとして体験しておきたいものばかりですし、普段からの準備と共にぜひ体験しておきたいです。場所は阪神尼崎駅から徒歩5分の消防署内にあります。国道2号線を挟んで向かいにはアルカイックホールや都ホテルがあるので、すぐに場所は分かると思います。小学生のお子さんでも体験しながら学べると思いますので、一度足を運んでみてはいかがでしょうか?


尼崎市防災センター

住所  : 〒660-0881 尼崎市昭和通2丁目6番75号

開館時間: 9:00~17:30

休館日 : 毎週土・日・祝日、年末年始

入館料 : 無料



日ごろから防災について考え行動を起こそう


 住民の防災に対する意識向上については各市区町村、かなり力を入れていると思います。尼崎市についてはほぼ平地なので心配はありませんが、例えばお隣の西宮市では山間部や丘陵地もあるので、がけ崩れや土砂災害についても「ハザードマップ」が定められています。

 とにかく日常の中でどれだけ危険があるかどうかを住民の方に認識してもらうために様々な防災に関する資料を作成、配布しています。危険な場所に出かけて危険に出会うのは当たり前のことですし、出かける方も危険を認識しているので、用心はすると思います。ただ、日常生活の中で自分の家が土砂災害の危険性が高い、洪水が来たら家が押し流される危険性がある、堤防が決壊したら家が水没してしまう、そういった危険については日々何事も無く危険が無い毎日が続けばついつい安心して用心を準備を怠ってしまうものです。

 自然災害だけはいつどこに来るのかが予測できません。唯一予想できるのは台風とそれに伴う大雨と洪水です。突然の地震やそれに伴う津波は事前にまったく予想できません。予想できない以上、いざ災害が発生した際に何を持ち出すのか、どこへ避難するのか、どこへ連絡するのか、といったことを普段から準備しておかないと、津波が来てからあわてて荷造りや避難所を探しても意味がありません。

 特に避難所については、先にも触れたように通常の避難所と大火事の際の避難所、津波や水害時の避難所、要支援の高齢者や障害者用の避難所、とその用途に合わせて分かれており、津波や水害の際に大火事避難用の広場へ移動しても何の意味も無いどころか非常に危険です。何事も普段からの準備や意識を高める啓発活動や勉強会、講座などで災害の恐ろしさや起こった場合の被害規模、そして最小限の被害で食い止めるための対策を繰り返し浸透するように行っていく必要があります。

 市役所の取り組みは引き続き行われていきます。お時間がある方は、尼崎市で行われている各種「セミナー」や「勉強会」、「講演会」に参加して行政からの啓発のみならず、皆さんの中から防災について自主的に行動してもらえたら、行政と住民、お互いの意識が今よりも一斉に高まっていくでしょう。



過去の災害を知り学ぶ


 尼崎市役所のホームページの「防災」ページを見てみると、尼崎市で過去に起こった災害についての記録が記載されています。尼崎市で起こった災害と言えば「阪神・淡路大震災」が有名でついついそちらの方を連想してしまうのですが、それ以外でもここ毎年上陸してきている台風による被害も記録されています。

 内容を見てみると、平成25年から平成28年までの間に起こった、台風の上陸による被害状況、大雨による被害状況、大雪による被害状況、などが記録されています。幸いにして死傷者が出たという内容ではなかったので安心しましたが、こうして見てみると毎年のように何等かの災害が発生しており、物損ではありますが少なからず損害が発生しているのは間違いないです。

 いつ自分がその当事者になるのか、それを普段から準備し考えておかないとあわてふためいて予期せぬような2次災害が起きたりします。災害は自分たちの本当に身近なところで起こっていることをもう一度考えましょう。


いつか来るかもしれない?南海トラフ地震


 冒頭でも書きましたが、南海トラフ巨大地震は過去一定の周期(100~150年)で発生しており、前回の発生時(1944年:昭和東南海地震、1946年:昭和南海地震)より70年ほど経過した今、これから20~30年の間に巨大地震が発生する確率は50%以上だと言われています。20~30年と言えば遠い未来のように思えますがそうではありません。今から30年以内に発生ということは30年後に地震が発生するのではなく、極端に言えばたった今発生する可能性についても含まれています。明日発生するかも知れないし、30年後かも知れない。いつ来るか分からないから出来るところから準備を始めないと間に合いません。普段から気を付けて準備を間に合わせましょう。   


南海トラフ地震発生の仕組みは?


 南海トラフ地震発生の仕組みは、静岡県の駿河湾から遠州灘、熊野灘を経て、和歌山県の紀伊半島の南側海域から高知県の土佐湾までいきそこから、宮崎県日向灘沖までの「フィリピン海プレート」と「ユーラシアプレート」が接する海底の溝状の地形の区域を「南海トラフ」と呼びます。この南海トラフ沿いのプレートの境界では、海側の「フィリピン海プレート」が陸側の「ユーラシアプレート」の下に1年に数センチのゆっくりとした速度で沈み込んでいきます。その時に陸側プレート「ユーラシアプレート」が引きずり込まれて、ひずみがどんどん蓄積されます。そうして限界までいったときに「ユーラシアプレート」が跳ね上がり、その際に発生する地震が「南海トラフ地震」です。

 この「フィリピン海プレート」が沈み込む際に「ユーラシアプレート」も同時に引きずり込まれ、限界が来た時に地震が発生するというメカニズムは、繰り返し行われるので、「南海トラフ地震」は何度も繰り返し発生しています。又その周期が先程出ました100~150年周期なので、いつ頃発生するかを予測することができるということなのです。


南海トラフ地震が発生したら尼崎市のどこが被害を受ける?


 尼崎市で南海トラフ地震が発生した際に何らかの被害を受ける可能性がある場所として、尼崎市北城内、尼崎市西大物町、尼崎市昭和通、尼崎市大物町、尼崎市御園町、尼崎市南城内、尼崎市築地、尼崎市開明町、尼崎市東桜木町、尼崎市寺町、尼崎市西御園町、尼崎市中在家町、尼崎市西本町北通、西桜木町、建家町、神田北通、などがあります。阪神尼崎駅やJR尼崎駅、から徒歩10分ほどで移動できるエリアであり、非常に便利な地域です。その反面、尼崎市南部に位置するため海からの災害に対してはもろに受けてしまうことがあります。

 地震は通常、予測できません。もし予測できるのであれば1995年1月17日に発生した「阪神・淡路大震災」や2011年3月11日に発生した「東日本大震災」も事前に避難してあれほどの死傷者を出さずに済んだはずです。今回の「南海トラフ地震」については地震発生のメカニズムが解明されているので、高い確率で発生が予測できますが、残念ながら何月何日何時まで細かい発生の時間帯が不明ですので、いつでも対応できるように準備をしておくに越したことはないと思います。


地震だけではない?津波の発生に注意


 「南海トラフ地震」については、文献に残っているだけでも何と、7世紀の白鳳時代までさかのぼることができます。具体的に言えば684年の「白鳳大地震」です。684年と言えば、710年に奈良平城京が完成し奈良時代が始まる25年ほど前で、大化の改新を経て天皇になった「天智天皇」の弟である「天武天皇」が政治に携わっていた時代です。こんな時代の地震の記録が残っているなんて驚きですが、地震の内容も高知県に津波が発生、近畿圏の神社仏閣も倒壊などの被害を受けるといったもので、かなり生々しく「南海トラフ地震」であるとみて間違いないそうです。この当時から一定の間隔で地震が発生しており人々の記憶に染みついてしまっていると思いますが、尼崎市をはじめとする阪神間の都市は皆協力して今から準備を進めています。


地震による津波の予測


 ちなみにこの大地震で被害を確実に受けると言われているのが、「尼崎市」・「西宮市」・「芦屋市」・「神戸市」の阪神地域と、「明石市」・「加古川市」・「高砂市」・「姫路市」・「相生市」・「たつの市」・「赤穂市」の播磨地域と、「洲本市」・「南淡路市」・「淡路市」の淡路地域の3地区です。

 そのなかで尼崎市に絞ってみた時に、どの場所が被害を受けるかという事ですが、南部に集中しています。特にJR東海道線より南側は海抜0メートル地帯が広がっており、かなり広範囲で被害が発生すると思われます。それでは、地震発生からどれくらいの時間でどんな規模の津波がやってくるかというと、最大規模は5m、到達時間は113分(1時間53分)程で到着します。

 最大規模5mはかなり頑丈な建物の高い階数に上がれば何とか耐えることはできるかと思いますが、新築戸建などの一戸建てでは残念ながらひとたまりも無いかもしれません。


津波が来るかもしれない!そんな場合はすぐに非難を


 津波警報が出たらすぐに高い建物(地震避難所)をめざして避難するのがベストです。その際には普段から準備してある避難用グッズを持ち出して移動しましょう。幸いにして地震発生から1時間53分もあればおそらく避難場所まで避難できるかと思いますが、問題は避難場所に到着した際に果たして避難場所に空きスペースがあるかどうかです。

 避難については早い者勝ちになるので1分でも早く避難所に到着することが大切です。避難所は津波を避ける待避所の意味があるので、津波が引けば避難所を後にすることができます。但し、津波が引いても肝心の自宅が住める状態にあるかどうかはわかりません。5m級の津波が来れば、通常どんな家でも1階部分は土砂が大量に流れ込み、そのため住むことは不可能になると思います。家ごと流されてなければ2階部分はまだ使用できそうですが、ライフラインもおそらく分断されて利用できない状況で自宅で住むのは難しいと思います。そうなるとどこか生活ができる避難所に避難しなければならないですが、それについてはまず最初の津波から身の安全を守った後のことだと考えてもらって、まずは津波の脅威から身を守ることが最優先だと思います。

 後、車での移動は極力避けたほうがいいようです。車での移動は確かに荷物も一緒に運べて便利ですが、一歩間違えると大変なことになります。過去の震災の際にもあったのですが、車の移動が集中することで道路が機能しなくなり、その結果大渋滞が発生して車が動かなくなり、結局車を捨てて逃げざるを得なくなったり、車を捨てて逃げだしたのはいいのですが、逃げ出すまでの時間がかかり過ぎていたために間に合わなかったり、といったことが起きたりしました。又、車が道を塞ぐことにより、津波が引いた後にパトカーや救急車などの緊急車両の走行の支障になってしまうこともあります。

 目の前だけのことを考えて行動するのではなく、目の前の行動のその先の状況を予測してて自分が助かるのはもちろんのこと、周囲の人も一人でも多く助かっててもらうためにも徒歩での移動を心掛けて下さい。実際にどういう行動をとるのかはその時の判断によりますが、普段から準備をしていなければいざというときに動けなくなったりします。準備だけは必ずしておきましょう。


災害対策は日ごろの準備と意識づけから


 防災については近年様々な大災害を経験することによってその意識がかなり高まってきましたが、まだまだ自分だけは大丈夫、自分には関係ないと思っている方もいると思います。

 尼崎市では避難訓練やアラートをのテストを流したりして普段から意識づけをするようにしています。全国的な取り組みとしては、9月1日を「防災の日」と定めて全国各地で様々なイベントを実施しています。

 なぜ9月1日が防災の日に定められたかというと、今から100年近く前に発生した日本史上最悪の死傷者を出した未曽有の大地震、「関東大震災」が発生した日が1923年(大正12年)9月1日ということにちなんで1960年(昭和35年)に制定されました。「関東大震災」は東京、神奈川、千葉を中心に地震の後に火事が発生し大量の人命が失われました。

 大震災にはそれぞれ多くの人が亡くなる際の特徴があって、「関東大震災」では地震の後の火災による火事によって多くの人命が失われました。1995年(平成7年)の「阪神・淡路大震災」では建物の倒壊などによってがれきに埋まってしまい亡くなる方が多かったと言われています。2011年(平成23年)の「東日本大震災」では津波によってたくさん亡くなっています。つまり、地震が起きればそこから大火災につながったり、津波が発生したり、建物の倒壊が相次いだり、その時の状況によって変わってくるので災害の連鎖に対して対応できるように、何度も言っていますが、「普段からの意識付けと避難へ敏速に行動を起こすこと」が大切になってきます。


 次に日本で発生する大規模な震災は「南海トラフ地震」で間違いないと思います。震源地がどこになるかでかなり被害状況も変わってくると思います。高知沖なのか、和歌山沖なのか、静岡沖なのか、その発生場所によってはおおきく結果は変わってきます。

 ただし、どこで発生しようと一歩間違えれば人命に関わってくることですので、必ず発生と同時に避難行動を取れるようにふだんからの準備をしっかりとしておきましょう。震災に限らず、大規模な災害(大規模な火災、地震、津波、など)が発生した際に生死を分けるのは最初の行動だと言われています。最初に誤った判断をしてたとえ10分で遅れただけだとしてもその10分が後程命取りになる場合もあります。大げさかもしれませんが、それくらい最初の行動は大事なのです。その大事な最初の行動は普段の準備や意識付けから変わってきます。最近小中学校でも震災に関するムービーを見せたり、消防署から職員が実際に学校に来て様々な防災活動を教えたりしています。そういった日々の活動のおかげで意識付けができているんだと思います。



災害後の不動産業者の役割


 一般的に不動産関連の会社は災害が発生すれば、その後本当に忙しくなります。家や多くの建物が火災によって消失したり、津波によって流されたり、地震によって倒壊したり、被害の状況や規模はその時によって変わってきますが、共通しているのが壊れた家を又建て直さないといけないという事です。その前に壊れた家のガレキがあればそれを取り除かないといけませんし、1軒だけを作り替えるという事はなかなか考えにくく、何軒かまとめて工事が行われることが多いと思います。家の建て替えとなれば、当然職人も必要ですし、建材も必要です。重機も必要となってきます。色々な人の手を経て建築されるので、費用もかなりの金額がかかってきます。

 震災は多くのものを取り壊すだけでなく、多くのものを改めて創り出さないといけない。不動産関連の会社が担う役割は大きく、無視できないものになってきています。

 私たちも不動産会社の一員として災害発生時にはもちろんのこと災害が発生する前でも地域に対してできることは何なのかを考えて少しでも貢献できるようにしていきたいですね。

 ちなみに、ここでいう不動産業者とはかなり広義の意味でふれました。家を建築する工務店や建設会社、建物の建材を作る建材メーカー、不動産を販売する販売会社、老朽化した不動産に手を入れて不動産を新たに生まれ変わらせるリフォーム業者もいます。あと、住宅設備(キッチンやお風呂など)の設備を製造している設備業者、本当に多くの業者さんがあります。そういった業者も力を合わせて少しでも早く新しい家を提供することがその使命です。

 尼崎市内にも多くの業者の方がいらっしゃると思いますが、いざという時には全力で地域のために動いてくれると思います。そのいざという時は来ない方がいいのですが、基本的に「南海トラフ地域地震」について言えば何度も言っていますが、70~80%の確率で発生すると言われています。確実に発生する災害といってもいいものなので、極力準備を徹底した上で迎え入れて被害を最小限に食い止めたいものですね。



地域防災計画もぜひご一読を


 尼崎市役所のホームページには防災に関するページがありますが、令和4年に修正されて公開されている「尼崎市地域防災計画」は一度読んでみられたらいいかと思います。尼崎市で災害が発生した際にどのように対処していくのか記されています。

 こういった災害の発生に対してはどの部署がどのように対処していくのか、防災についても災害の種類を分けた上でどの部署が担当部署となるかを決めて具体的にどのような方針で防災対策をしていくのかが記されています。一度チェックしてみて下さい。


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まとめ

 

 今回は「尼崎市の災害に対する様々な対策」について紹介しました。来るべき未来にはもしかしたら色んな困難が待ち構えているかもしれませんが、今から準備を徹底して備えましょう。

このブログだけではまだだ紹介しきれない尼崎市の魅力やおススメポイントをこれからもたくさんお伝えしていこうと思いますので期待ておいて下さい。 


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